家族の時間をつなぐキッチン
キッチンには誰がいますか?
多くの家庭では、女性ですよね。お母さんだったり、奥さんだったり、おばあちゃんだったりすると思います。
昔の家はキッチンが独立した一つの部屋だったので、食事の準備をする人は1人きりで黙々と料理を作っていました。
近年は、キッチンとダイニング、リビングが一体になった家が多くなり、食事の準備は1人で寂しく行う作業ではなくなってきています。家族と同一空間で食事を作るように変わって来ています。
でも、いろいろな問題を抱えてしまった家族もいます。家を新築してリビング・ダイニング・キッチンを一体にした為に、落ち着いて料理ができないという人もいらっしゃいます。調理の音がうるさいという話もあります。
コミュニケーションという意味では、新たなメリットが生まれましたが、それによって失われるものがあったのも事実です。
すべて、一長一短で、どちらを取るかということですね。流行だけで間取りを考えてしまうと、取り返しのつかない事になってしまいます。
でも、忙しいお母さんには食事の準備をする時間も大切なコミュニケーションの時間となります。
仕事から帰り、食事の準備をして、子供に食べさせ、お風呂に入れたり、宿題をみたり、洗濯、アイロン掛け、洗物などの家事が山のようにあります。
その合間に子供の様子や話しを聞いてコミュニケーションを取らなければなりません。
そんな、お母さんには、「家族の時間をつなぐキッチン」が必要になると思います。
子供の勉強をみたり、今日あったことなどを聞きながら食事の準備ができれば、時間の有効利用になります。
お父さんに多少、「洗物の音がうるさい」とか「やかんを鳴らすな」と言われても、家族とのコミュニケーションの為にキッチンと家族のいる部屋はつないでおきたいですね。
キッチンからすぐにダイニングテーブルに移動できる配置であれば、子供の勉強をみたり、おやつをあげたりすることがスムーズにできます。又、食事の配膳も簡単にできるので、時間の短縮になり大助かりとなります。
更に、宿題の合間に食事の準備を手伝わせたりすることもできます。子供がすぐ側にいるということは「ちょっとしたお手伝い」をお願いすることが、簡単にできるというメリットも生まれるのです。「これはコミュニケーションの取り易い部屋になった」といえると思います。
お父さんにも手伝わせることができます。「あー腰が痛い」と言えばリビングにいるお父さんにも聞こえます。「手伝って欲しいな」なんて簡単に言えたりします。
当然、別の部屋にいたのでは、そんな簡単に言う事ができないので、一人でやるしかありません。やってくれる、やってくれないは別問題ですが、そんな話が簡単にできるのは、一体の部屋にお父さんがいるからです。
コミュニケーションの取り易い間取りは家族が同じ部屋に居てできます。
リビング・ダイニング・キッチンは「家族の時間をつなぐキッチン」ということが言えます。
作り方によって変わってしまいますが、「どの程度のつながりにするか」ということは大きな問題です。
リビングのテレビが見えるキッチンにすることも可能ですし、家族の目線を少し切った、半分隠れたキッチンを造ることも可能です。
キッチンが部屋の中心となるアイランドキッチンにすることもできます。
どの場合も、食事を作る人のいるキッチンと家族の係わり方をどのように考えるかで変わります。
●これから家を新築する方へ
コミュニケーションを取りたいと思うのであれば、同じ部屋にできるだけ居るということです。同じ部屋に居れば簡単に声を掛けられます。
別の部屋では、なかなか声を掛けに行くということはないと思います。そのような間取りだと、どうしても会話が減ります。
家族が一緒に居られる部屋を造りましょう。そして、家族みんなで居る部屋は居心地の良い部屋にしましょう。
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは、キッチンと家族の係わり方をしっかりと考えるということです。その考え方が、その家を使って行くにあたって、ず〜と続いてしまう事実をよくお考え下さい。
安易に「リビング・ダイニング・キッチンがステキ!」だけでは、後で後悔してしまうかも知れません。リビング・ダイニング・キッチン一体でも良いのですが、一部屋である必要性をお考え下さい。
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